
チーズはどこへ消えた?(Who Moved My Cheese?)
全世界で2800万人に読み継がれているベストセラー、『チーズはどこで消えた?(Who Moved My Cheese?)』を読んでみたので、感想をちょっぴり書いていこうと思います。
ボクはこの本を読んだことで、人生で直面する困難や問題にどう対処すべきなのか、考え方を改めて見直すことができました。この記事を最後まで読めば、きっと何か学べることがあるはずです。
※以降『チーズはどこへ消えた?』のネタバレを含みますので、まだ読んでいない方はご注意ください。
ある日、2匹のネズミ、2人の小人がいました。2匹のネズミはチーズを見つけるために迷路を進みます。その一方で2人の小人もチーズを見つけるために迷路を進みます。そんな中、両者共に見たこともない巨大なチーズを発見します。そして、ネズミ、小人達はその巨大なチーズに満足する日々を送るようになりました。そんなある日のこと、あったはずの巨大なチーズが突然消えてしまいます。さあ、どうするネズミ、そして小人達よ・・・
あらすじ
あらすじはざっとこんな感じです。
”迷路”とは僕たちがいる環境(家庭、仕事場、学校・・等々)を指し、”チーズ”とは僕たちが望んでいる事やモノ(夢、目標、お金、安定した暮らし・・等々)といったところでしょうか。
自分達で見つけた、見たこともないような巨大なチーズが突如、消えてしまう。そんな状況に直面した2匹のネズミ、2人の小人が取った行動から僕たちは何を学ぶべきなのでしょうか。
待っていても、何も変わらない
チーズが消えてしまった事実を受け入れた2匹のネズミは、新しいチーズを探しに迷路を進むという行動を起こします。その結果、努力と時間を費やしたものの、最後には消えてしまった元のチーズよりもさらに巨大なチーズを手に入れました。
その一方で「チーズが戻ってくるかもしれない。」というわずかな期待を持ち、迷路を進むという恐怖に駆られ、行動を起こさずにいた2人の小人はいつまでたってもチーズを得ることができませんでした。
このことから、待っていても現実は変わらないことが分かります。
人間にはネズミとは違って考える力があるという、本来はプラスなことのはずですが、これが時にはマイナスに働いてしまうこともあるということです。
ネズミのように考える力が無かったら、おそらく2人の小人も新しいチーズを探しに迷路を進んでいたと思いませんか?
「チーズはどうして消えたのか?」「チーズは戻ってくるかもしれない。」「もしチーズが見つからなかったら?」と考えるばかりに行動を起こせなくなってしまったのです。
行動を起こさない=待つ=現実、何も変わらない
一見、当たり前のように聞こえますが、人生を振り返ってみると行動を起こさずに待っているばかりだったな、と思う人もいるのではないでしょうか。
Things may come to those who wait,
but only the things
left by those who hustle.待っているだけの人のところにも
いろんなものが舞い込んでくるかもしれない。
だが、得られるものというのは所詮、
自発的に行動する人が残したおこぼれだけなのである。Abraham Lincoln(リンカーン)
行動を起こしても、すぐにうまくいくわけじゃない
たとえあなたが正しい方向に向かって行動していたとしても、現実はそんな簡単にうまくいくものではありません。
2匹のネズミは新しいチーズを探すために迷路を進むという行動を起こしますが、すぐにチーズは見つかりませんでした。途中で迷路を進む決断をした1人の小人も同様にです。
2匹のネズミ、1人の小人に共通するのは、なかなかチーズを見つけることができない(失敗)を経験しているのです。
このことから、行動を起こしても、すぐにうまくいく(自分が望んでいたことが実現する)わけじゃないことが分かります。
けれども、Joan of Arc(ジャンヌ・ダルク)はこう言います。
Act, and God will act.
行動しなさい。
そうすれば神も味方してくれるはずです。Joan of Arc(ジャンヌ・ダルク)
最終的に2匹のネズミと1人の小人はチーズを見つけることに成功しています。これはネズミと小人が最後までチーズを探すことを止めなかったから得られた成果です。途中でチーズを探すことを止めていたら、チーズは見つかることもなく、これまでの努力や時間、すべてが無駄になっていたことでしょう。
チーズを見つけたかったら、チーズを見つけるまで探し続けなければならない。チーズはいつも失敗と挫折の先にある特上品なのです。
この教訓を知っておくことで、失敗や挫折しそうになった時には「チーズに近づいている証拠なんだ!」と考え方を変えることができるはずです。
Anyone who has never made a mistake
has never tried anything new.失敗したことがないという人は
新しいことに挑戦したことがない人なんだ。Albert Einstein(アインシュタイン)
考え方を変えれば、行動も変わる
「考え方を変えれば、行動も変わる!!」
ボクはこの台詞をただの綺麗事だと思っていたのですが、この意味は本当なのかもしれません。
なぜなら、「もし、チーズが見つからなかったら?」と考えれば、チーズが見つからなかった時の恐怖に駆られ、チーズを探しにいくという行動を起こせなくなります。ただ、「チーズはきっと見つかるはずだ。」と考えれば、チーズを探すという行動がきっと起こせるはずです。
こうみると、考え方を変えれば、行動も変わっていくことが分かりますよね。
「ボクが書いた記事なんて誰が読んでくれるのだろう。」「もし、誰にも読まれなかったら?」と考えていたら、ボクもこの記事を書くのは辛いです。ただ迷路の先には、あなたが読んでくれているわけです。
Take time to deliberate.
but when the time for action has arrived,
stop thinking and go in.十分に時間をかけて考え抜くのだ。
だが、機が熟したのなら
考えるのをやめて、行動に移せ。Napoleon Bonaparte(ナポレオン)
一つのものに依存しない
2人の小人は最初に見つけた巨大なチーズに依存して、安心感に浸っていました。「もし、チーズが消えたら?」なんて想定していなかったのです。思いもよらない悪いことが自分の身に起これば、当然心へのダメージは大きいものです。
それに対して、2匹のネズミは1つの巨大なチーズに依存するのではなくて、チーズが消えてしまった時のことも考えて迷路を進むことを怠りませんでした。
その結果、チーズが消えてしまった時の絶望感はネズミ達と比べて、1つのチーズに依存していた2人の小人の方がはるかに大きいものでした。
このことから、一つのものに依存するのは良くないことが分かりますよね。
「大企業に就職できたけど、職場の人間関係が合わなかった。自分が望んでいたものとは少し違った。だから、正直この仕事を辞めたい。だけど、大企業に就職できたのだから辞めるのはもったいない!もうこんなチャンスは2度と来ない!」
そう言って、一つのものに依存していてはそれ以上のものは得られません。
僕たちが思っている以上に世界はもっと広いのに、自分が手に入れた1つのチーズを勝手に一番だと決めつけるのはあまりにも滑稽です。
うまくいかないことがあっても、それはあたなが進むべき方向を神様が正してくれているのかもしれないと信じて、古くなったチーズを捨てる勇気を持ちましょう。きっとその勇気が新しいチーズへ繋げてくれます。
恐怖に支配されていませんか?
最後に、ボクがこの本から学んだもっとも大切なことを話そうと思います。
それは「恐怖に打ち勝て!」ということです。
迷路を進むためには恐怖に打ち勝つ必要があります。
当然ですが、自分たちが通ったこともない道を通るのは誰でも怖いものです。猫に遭遇するかもしれない、犬に吠えられるかもしれませんからね。
そんな時こそ、僕たちはネガティブに考えがちです。小人が放った一言のように「もし、チーズが見つからなかったら?」
これは僕たちにも身近に起こっていることではないでしょうか。
「もし、大学受験に失敗したら?」「もし、就職できなかったら?」
「もし、フラれたら?」「もし、嫌われたら?」「もし、結婚できなかったら?」
これは僕たち自信が自分に問いかけ、恐怖を呼び起こしているのです。ましては身の回りの人にこのようなセリフを問いかけていませんか?
親が、受験勉強している子供に向けて、「もし、大学に落ちたらどうするの?」なんて声をかければ、子供は何を想像するでしょうか。
ここで、僕からのちょっとしたアドバイスがあります。
それは、自分の未来を勝手に潰さなくていいです。
「大学に落ちたら・・・」なんて自分から未来を勝手に潰さなくていいのです。もっと言うと「大学に落ちたらどうする?」なんてことは大学に落ちた後に考えれば良いってことです。
それまでは、大学に合格するために勉強をして、大学に合格した自分をイメージしていればいいのです。落ちた先のことなんて、誰にも分かりませんから。
それでは、最後に『チーズはどこへ消えた?』の著者であるスペンサー・ジョンソンの教えで締めくくりましょう。
I guess we resist changing,
because we're afraid of change.きっとボクたちって
自分が変わっていくことに抵抗するんだよ。
だって変わるのって怖いもん。 Who Moved My Cheese? Spencer Johnson 『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン))
ここまで読んで頂きありがとうございました。